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さよなら:阪田寛夫
少女歌劇という言葉が生きていた頃
女学生は手紙の最後を小夜奈良と結んだ
やすらはでねまなしものをさよふけて
の、小夜福子
いにしへのならのみやこのやへざくら
の、奈良美也子
どちらも男装の麗人として世に聞こえていた
小学生のぼくはさよならの語源はこれだと
半ば信じ半ば疑ってもいたが
好きな女の子の家の前をわざわざ通って
露骨に戸と閉てて逃げこまれた夕方
ぼくの心こそ小夜奈良だった
その夜半ぼくは
かたぶくまでの月を見た

     

       『含羞詩集』より(1997年河出書房新社)
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宮美恵人形展 monologue & dialogue


お人形が好きな姉妹だった。
テディベアを例外として、ぬいぐるみには殆ど興味を示さず常にお人形遊びが基本の子供だった私と妹だ。殊に妹はその傾向が強く、大学時代にマルセルのビスクドールを手に入れ、着せ替えのドレスを縫ったりしていた。

さて、宮美恵氏のお人形。儚いように美しいうえに、近づくと表情が変わってみえる。凝っと見つめるとお人形も見つめ返してくる。これは、”良いお人形”の絶対条件だと思う。癒しを求めるような存在ではあり得ないと思う。
見られるだけの量産品とは、まったく違うエネルギーをもっている。やはり作り手の想いなのだろうか、なんといっても”ひとがた(人形)”と言うくらいだからね。
例えば、かの四谷シモンのお人形など、見つめ返してくる”眼力”の方が、こちらの視線より格段に強い。 優しいお顔をしていても、圧倒的に強い。
彼のお人形を家において、精神が疲弊しないのは、あくどいまでの個性を持つ、澁澤龍彦くらいなものだわ、実際。

欲しくなって困るので、私は2度は行けないけれど、お近くに出掛ける御用のある方は是非足を運ばれる価値のある人形展だと思う。
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COLORS@HILLSIDE FORUM
予てより楽しみにしていた代官山ヒルサイドフォーラムのCOLORS を観にいく。
代官山自体が随分と久し振りだったので、何だか新鮮。

以前からblogにお邪魔し、是非、作品を拝見したいと思っていた kskskさん が遂に関東進出だ。
やはり生の作品は伝わってくるものが違う。
切り開かれた(?)クラフト紙の皺、置かれた絵の具の鮮やかな色味、重ねられた素材(紙も絵の具も)の質感、攻撃的な作風ではないのに、stimulating な印象もある。
正面の離れた位置から観ると、また違う美しさがあって、見入ってしまった。
blog を拝見すると、東京に送られた作品数はもっと多いようなので、展示されていないものも沢山ありそう。全部、観たかった。壁面1つでは、全然足りなくて、もっと観たいけれどグループ展なのだから、無理を言ってはいけないか。
もしかしたら、前半と後半、またはkskskさんが上京されて、作品が入れ替わるのかもしれない。
日程の都合で、私は今日しか時間がとれないのが、とても残念。

あとひとり、気になったアーティストがあって、それは夏苅羚さんという方。
繊細で可愛いモチーフなのに、甘すぎない作品、モノトーンが美しい。サイトのギャラリーで観るよりも、実際の作品は、温かみを感じさせつつ何処となく突き放したようなよそよそしさもあるのが、素敵だ。作品の前で、じぃぃっと見詰めていたら、綺麗な女性がカードをくださった。
作家さんご本人だった。黒眼がちな美しい方で、ちょっと緊張してしまった。
作品も作家さんも、とても印象的だった。

全体的に言えば、もちろん色々で、中には初日だから仕方ないとは思うけれど、作品を展示(設置)作業中のコーナーもあり、これってまず観る環境になってないぢゃんと苦笑いもあったり。ふふふ。
あまりにも使い古されたようなポップなものや、個人的にアニミズムを感じてしまうようなものは、正直、興味の範疇にない。
原則、アートは好き嫌いだから、そんな見方でよいと思う。

背中に陽射しをぽかぽかと感じ乍ら、代官山を後にした。
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国立ソフィア王妃芸術センター美術館


通称レイナ・ソフィア(ソフィア王妃)、コンテンポラリーアートを集めた美術館だ。

此処が思った以上に素晴らしくて大感激。
写真両端に見えるのはシースルーのエレベーター、100年以上経つクラシックな部分と4年程前に増築されたごく近代的な部分がモダンな雰囲気を醸し出している。



私が大感激したのは、ホアン・ムニョスの作品だ。
美術品は写真に撮ってはいけないのが大原則だが、これは中庭を囲むバルコニーに展示されていたので、パチリ。
ひとを造形したものが多く、大きな部屋に同じひとのモティーフがぞろぞろ並んでいたり、ぽつんとひとり椅子に腰掛けていたり。

元々素養がないから、コンテンポラリーアートのようなものは、なにがなんだか意味不明、と感じることが殆どで、あまり好きではない。
だけど、この美術館の作品は、解らない私にもぐっとくるものばかりだった。

ピカソの”青い服の女”の美しいこと!ダリの絵画の魅力的なこと!フェルナン・レジェのスタイリッシュなこと!これらも、数十年前の時代には充分にコンテンポラリーだったのだと思うと、不思議な感慨を覚えた。
スーツを切り貼りした古着のような、ごく最近の作品の面白さも堪能。

お昼前から行って、帰りの18時の列車の時間ぎりぎりまで観たけれど、観切れない。
妹と入口で待ち合わせて、互いに「時間が足りないーー!もっと観たいー!」と雄叫びを上げる。
「なじゃちゃん、”ゲルニカ”はまさか観たでしょうね。」と指摘され、観ていないことに気付き、爆走して再度展示室を探す。

ミュージアムショップで日本語のコレクションガイドを購入。
大変丁寧な翻訳がしてあり、読みやすい。文化大臣や館長の序文は、非常に興味深かった。


というわけで、美術館巡り2泊3日のマドリッドは、ショッピングや美食と無縁にばたばたと過ぎたのだった。
てか、3日ばかりぢゃ全然無理。じっくり観るなら1週間は必要だと痛感した。

美術に興味のない方いらしたらすみません、延々と続いた美術館ガイドはこれで終了です(笑)。
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プラド美術館



丸一日掛けてプラドを満喫する。
とても解り易い美術館プランリーフレットを配布しているので、本当に便利だった。
また、各展示室が、スペイン絵画、ドイツ絵画、フランドル派、イタリア絵画など、系統立てて展示されており、主だった作品がどの展示室にあるのかが一目で解る。
とにかく広くて、1日で観ようとすること自体、無茶なのだが、まずはどうしても観たかった作品から廻る。

何と言ってもスペインと言えば、ヴェラスケス、ゴヤ、ムリーリョだ。
かなりまとまった数の作品を観られて感激。
ヴェラスケスの”ラス・メニーナス”、ゴヤの”我が子を喰うサトゥルヌス”の迫力、そして”マハ”の輝くような美しい肌の色。

昨年、バレンシアのサンピオキントで観たエル・グレコ。
今回も、飛び出すような光を放つ3Dチックな色遣いに惹き込まれ、斜めや横、正面など様々な角度から眺めてみる。




そして、あっと言う間にランチ時の14時。
プラドは関連施設もかなり充実。
ランチは一律14€コースで、セルフサービス。サラダ、パン、メインディッシュ、デザート、飲み物など選んでレジに並びお金を支払う。
私は、ローストビーフ温野菜添え、シーフードサラダ、胚芽パン1切れ、カスタードタルトをチョイス。
妹は、グリルチキンブルーンソースのクスクス添え、ツナサラダ、バゲット1切れ、デザートは桃。
トレーに敷かれたDEL PRADO のロゴがグレーの濃淡でとてもスタイリッシュ。
ミュージアムショップのグッズも、主にこのセンス、ノートやペン、消しゴム、メモパッドなど、お値段も手頃で、ちょっとしたスーベニールには最適。

ランチを終えて、再び作品を観て廻る。
カラヴァッジオ、ティツィアーノなどなど、妹とは常に待ち合わせの時間だけ決めて別行動なので、マイペースに観られてらくちんだ。

気に入った大きな作品の前では、椅子に腰かけてゆっくり見渡すことも出来て満足。

夏休みだから、子供がノートを片手に一生懸命メモをしている姿も見受けられ、微笑ましかった。
日本語のイヤホンガイドがあったら、うれしかったのになぁ。

妹は特別展のホアキン・ソロリャを観たかったようだが、朝の11時には既に美術館を半周する程の長蛇の列をなしていたので諦める。残念。
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ティッセン・ボルネミッサ美術館 マティス展



写真を撮るのが下手だなぁ…なんだ、このアングルは(笑)。

ティッセン・ボルネミッサというのは、ドイツ系の男爵の名前。そのコレクションが国に寄贈されて出来た美術館なのだ。
実は、私、昔お仕事でこの男爵夫人のネックレスを作ったことがあるので、ちょっぴり勝手な思い入れあり。
日本にもティッセン・コレクション展として何度か開催されているし、男爵ご夫妻も来日したことがあった。

常設展は閉館していたものの、特別展のマティスが見られたので大満足。
マティス独特の色遣いが美しく、気持ちが明るくなるような思いがした。
マティス展をお目当てのひとが多く、30分毎にひとを入れるシステムになっていた。
余程混み合っているかと思いきや、案外そうでもなくて、見やすかった。
どれほど貴重な名画が揃っていても、身動きがとれず、牛歩の如くのろのろ進んだり、これはと思う作品の前に立ち止まる余裕もないのは、ちょっと辛い。
リラックスして見られたのが、とてもうれしかった。
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アニー・リーボヴィッツ写真展


マドリッドでアニー・リーボヴィッツ展が開催されていると妹に言われて行った。

死の匂いのする紛争地域での写真からムービースターのポートレイト、ホワイトハウスの政治家、自分の娘、親密だったスーザン・ソンタグまで、様々な写真があった。
カラーもあったのに、色が全面に出過ぎず印象としては、白黒でないモノクロ(おかしな言い方)というイメージだった。

展示場で流されていた映像で「家族を撮ることが好きだ」と言っていた。

確かに、リーボヴィッツ自身の家族、ジョニー・キャッシュ一家、グウィネス・パルトロウとブライス・ダナー母子、クリントン元大統領一家、プレスリー家の3人の女性(プリシラ、リサ・マリー、リリー)など、親子を被写体にした作品も多い。

私のボキャブラリーではどう表現していいのか解らない。
でも、とても感銘を受け、結局3日間のマドリッド滞在中2回も足を運んだうえに、4kgもある写真集を買ってしまった。




さてさて、リーボヴィッツ展の感想で姉妹盛り上がり乍ら、会場近くのカフェでお茶をする。
あちらでは最初から冷たいアイスティーが出てくるのではなく、熱い紅茶と氷入りグラスが出されて、頃合いを見計らって自分でグラスに入れる。

既に19時近いけれど、まだまだ明るいし、通常夕食は21時頃、美術館も夏は22時まで開館しているので、余裕がある。
さて、次は、ティッセン・ボルネミッサ美術館へ。
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